ネットの世界からこんにちは。むぎです。
7月も後半になりました。豪雨があったり、コロナ感染者の増加など、気が休まらない日々が続いておりますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
今年は外出規制がなされていないこともあり、昨年、一昨年に外出できなかった分を取り返そうと、計画を立てられている方も多いかと思います。
体調に気を付けつつ、今年こそは夏を楽しみたいですね。
ただその一方で、自身の理想に近づくため、会社で昇進するためにも、日々の生活の中に「学習」を取り入れることも大切です。
特に実質賃金があがらない日本においては、個人で学習を行い、スキルアップしていくことが求めらるでしょう。
しかし、経済産業省が発表した『未来人材ビジョン』によると、「社外学習・自己啓発」をおこなっていない社会人の割合は46%であり、APAC14カ国の中で最下位となっています。
言い換えると、「日本の社会人は最も学習をしていない」ということです。
これは日本の未来にとっても、個人にとっても非常に深刻な問題であると筆者は感じています。
そこで本日の記事では、『未来人材ビジョン』から見る日本の学習しない社会人の背景にはどういった原因があるのか。それを踏まえて、私たちは今後どうしていけばよいのかを考えていきたいと思います。
日本の社会人が勉強していない割合が深刻
まず、本日取り上げるのは、経済産業省が2022年5月に発表した「未来人材ビジョン」です。
こちらは
経済産業省は2030年、2050年の産業構造の転換を見据えた、今後の人材政策について検討するための「未来人材会議」での議論を踏まえ、未来を支える人材を育成・確保するための大きな方向性と、今後取り組むべき具体策がまとめられた資料です。
ドキュメントの構成としては、以下のようになっています。
- 日本における人材育成の問題意識
- 労働需要の推計
- 雇用、人材育成
- 教育
少し堅苦しい内容が並んでいますが、実際に中身を見ていただくと、
日本の人材育成の現状や、今度どのようなスキルが求められるのか、といった非常に具体的な内容が示されています。もしご興味のある方は、ご一読いただければと思います。
資料の中には、目を背けたくなるような事実がいくつか記載されています。
例えば、
- 日本は外国人労働者から選ばれない国になっている
- 日本企業の従業員エンゲージメントは、世界全体でみて最低水準
- 現在の勤務先で働き続けたい」と考える人は少ないにも関わらず、「転職や起業」の意向を持つ人も少ない
- 企業は人に投資せずに、個人も学びの活動を行なっていない
- 日本の人材の競争力は下がり、中国に抜かれている
- 3割の外国人材が、日本企業に入社した後、1年以内の離職を経験する
などです。
引用:https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/mirai_jinzai/pdf/20220531_1.pdf
どれも非常に深刻な課題であり、日本がいかに衰退してきているかということを感じさせられます。
中でも、筆者が特に問題だと感じたのは
「企業は人に投資せずに、個人も学びの活動を行なっていない」という内容です。
掲載されているデータを見ると、
企業が人的資本に対してかける金額の割合が英米などとGDP比で比較して10分の1程度である、また個人で社外学習や自己啓発をおこなっていない人の割合が約50%である
という結果が示されています。
これは実質賃金が増えない日本において、人材への投資も行われていないということになるので、
この先の日本の衰退に拍車をかける結果だと考えれます。
一般的に、成長はインプット量とアウトプット量で決まります。
ですので、
- 個人はインプットの段階をそもそも行なっていない
- 企業はインプットのためのサポートを行わない
となると、個人単位でも企業単位でも、今後の成長はほぼ見込めないでしょう。
「日本経済が数十年の間、成長していない」ということはよく話題になりますが、今回のデータから
原因の一つとして、企業側と個人側にも学ぶ姿勢が欠如しているということが伺えます。
では、日本の学習しない状況を変えるにはどうすればよいのでしょうか
次章では、まず日本の学習意欲が低い理由とその対策について考えていきたいと思います。
なぜ学習意欲が低いのか
これほど深刻な状況になっているにも関わらず、なぜ日本では人材への投資や学習意欲が他国に比べて低いのでしょうか。
原因はいくつか考えれます。
まず第一として、よくも悪くも現状のままで生活できてしまう人が多いという状況があるのではないかと思います。
多少生活が苦しくなっても、自分の生活にとって「深刻な影響」があるということを実感しなり限り、現状を変えようとするモチベーションは起きにくいのではないかと想像できます。
結果として、新たに個人で学習を始めたり、企業としても人材に投資しようといった決断にはなかなかたどり着けないということなのではないかと考えられます。
また第二の原因として、学習に割けるリソースが少ないということも考えられます。
企業にしても、個人にしても、人材に投資するには元手となる資金や時間が必要です。
毎日の生活において、やらなければいけないことがたくさんある状況で、腰を据えて学習を行うというのは口で言うほど簡単なことではないというのは筆者も身を持って知っています。
それどころか、むしろ、癒しとなるような娯楽(Netflixで動画を見る、ビールを飲む)といった行動をとってしまうことのほうが必然だといえるでしょう。
また、いざ学習しようとしても、本を買うためのお金が必要、試験に申し込むためのお金が必要、学習するための時間が必要、といったようにリソースの不足の問題に直面することになります。
そして、最大の原因としては、モチベーションがあがらないということではないかと考えれます。
学習をする当事者の気持ちとしては
- 少し学習したところでお給料が上がるとは思えない
- ちょっとがんばったところで現状は何も変わらない
と感じる方も多いのではないかと思います。
頑張ったところで目に見える結果が得られなかったり、未来が明るくない状況だと、モチベーションも湧かないのも当然です。
それどころか前向きに行動したにも関わらず、スキルを身につけて転職したにも関わらずお給料が下がってしまったり、趣味に回せるリソースが減ってしまいストレスが溜まるようになった、など悪い方向に向かうことも少なくありません。
上記はすべて筆者の仮説に基づく内容ですので、本当のところの原因はわかりません。
ただ、学習を行なっている人材が他国と比較して少ないというのは事実です。
学習できる状況が整うのが先か、当事者の気持ちが向くのが先かはわかりませんが、いずれにしても、一朝一夕でこの状況は改善しないでしょう。
学ぶことは楽しいこと
これまでの内容から、日本における学習状況および人材投資不足については深刻な状況であるということがわかってきました。
そういった中で、本章では、私たち個人がどうすればよいのかを考えてみたいと思います。
まず個人でできることとして、以下の3つを行うことが大切だと筆者は考えています。
- 現在の日本の状況に危機意識を持ち、自分が当事者だと認識すること
- 自分の興味のあることに熱中すること(ビジネスにつながればなお良し)
- 学習の習慣化をすること
一つ目に関しては、ここまでの内容ですでにご理解いただけているかと思います。
二つ目以降に関しては、あまり難しく考えずに、自分の好きなことの知識を深めるというところを入り口にするとよいのかなと思います。
「学習」というと、高尚な活動に聞こえますが、継続的にインプットを行うことが大切ということです。
なにも全ての内容が自分の仕事やビジネスに関係しなければいけないということもありません。
例えば、普段何気なく見ているインスタやTikTokで、自分の興味のあることを見つけたら、内容を深ぼってみることも学習の一つです。
そういったところから自分の好きなことの知識を蓄えていき、「調べること」、「学ぶこと」が楽しいと感じることができれば、学習を継続することは難しいことではなくなります。
もしかすると、自分の好きなことを調べるうちに、結果として新しいビジネスを思いつくということもあるかもしれません。
そして、三つ目として、好きなことへの学習ができるようになったら、その学習を継続しましょう。
継続する際には、自分の好きなことから派生させて、仕事やスキルアップのための学習にも取り組んでみるとさらに良いと思います。
結果として、学ぶことが習慣化されるだけでなく、仕事や趣味のパフォーマンスも上がることにつながります。
上記を行う上で、時間やお金などのリソースが必要になることも多々あります。
その場合には、まず以下の3STEPに従って進めてみてみるのがよいかと思います。
実際に、筆者は社会人一年目で時間がないときに、このSTEPで取り組むことで、リソースを捻出することができました。
- 仕事や生活のうち、やらないこと、やらなくてもいいことを見つけ切り捨てる
- 必要な作業のうち、機械や他人で代替できることを見つけて、移譲、自動化する
- 空いた時間で自分に投資する
ステップ1の代表としては、飲み会やSNS、こまめな掃除などが挙げれます。
ここでは、トータルでかけている時間が長いことを削減するのがポイントになります。
飲み会にいくとだいたい平均2時間ほどかかってしまいます。
掃除も毎日10分ずつ行うとしたら、一週間で70分になります。
このように、生活の中で自分がどういった行動に時間をかけているのかをまず見つけましょう。
そして、その行動がやらなくてもよいことであれば思い切ってやめてしまう、まとめられることであればタイミングを決めて片付けるというようにすれば、比較的簡単に時間を捻出することができます。
次に、ステップ2としては、
やらなければいけないことのうち、自分自身で行う必要のないことを見つけて自動化しましょう。
わかりやすい例としては、食器洗い、床掃除、洗濯物の乾燥などが挙げれます。
これらは食洗機やお掃除ロボットを導入することで、自分自身の時間を使わなくても行うことができます。初期費用がかかることもありますが、一度導入すれば、その後の時間を確保できますので、費用対効果は高いです。金銭的に余裕が生まれたら、ぜひ取り組んでみていただければと思います。
ステップ1とステップ2を終えると、自由に使える時間が前よりも増えていると思います。
そこで、最終ステップとして自己投資を行いましょう。
前述したとおり、取り組む内容はご自身の興味のあることで問題ありません。
読書、資格勉強、英会話、ジム、ヨガなど、これまでやりたいと思っていた活動にリソースを割くことで、できることが増えていき、気分も良くなると思います。
そして、一度、成功体験を積むと、「自分にはできることがたくさんある」といったように、自己肯定感もあがり、また新しい活動に挑戦できるようになります。
この好循環に入ると、学ぶことは苦ではなく、むしろ楽しいことだと感じられる状況になります。
このように学習を習慣化することは、単に仕事などができるようになる以上のプラス効果があります。
企業や政府からのサポートがあればなお良いですが、まずは自分自身でできることに取り組むことが大切です。
結果的に、自身の生活だけでなく、日本全体が活性化することにもつながるのではないかと思いますので、一人でも多くの人が自己投資を行い、より良い生活を送れるようになればと思います。
おわりに
本日は日本の学習不足と対応策について考えてみました。
社会情勢が不安定になり、生活をやりくりするだけでも大変な状況だからこそ、自分を信じて自己投資を行うことが大切です。
筆者の体感にはなってしますが、「自己投資は最高の投資」だと言ってもおかしくありません。
誰かが良い状況を作り出してくれるということはあまり期待せずに、自分にできることを精一杯取り組むことのほうが、状況を変えることにつながるのではないかと思います。
それではまた次回の記事でお会いしましょう。
コメント